GoogleドライブをPCで使うパソコン版ドライブの使い勝手は?
今更ながらの話ですが、Googleドライブ自体を使ったことがないユーザーもまだ多く、Web上でファイル操作をするとかブラウザ内で表計算ソフトを使うという概念自体がないので、かなりの抵抗があります
今回、初めてSaaSを利用するユーザーがあまり抵抗なく利用できるよう、PC版ドライブの使い勝手などを調査しました。Windows版の利用者が多いと思いますのでWindowsベースで調査してみました
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パソコン版ドライブとは
GoogleドライブをWindowsのファイルエクスプローラ上にフォルダとして表示させるツールになります。
Windows10や11ではOneドライブが実装されており、無料MSアカウントでも5GBをクラウド上に保存できる仕組みですね。そのGoogle版が今回のツールとなります
パソコン版ドライブのインストール
2023年9月時点の方法ですので、手順が変わってしまったら読み替えてご覧ください
パソコン版ドライブで検索して以下のサイトがヒットします
https://support.google.com/a/users/answer/13022292?hl=ja
セットアップファイルをダウンロードし実行します。ユーザーアカウント制御の画面は「はい」をクリックします
インストール画面では、チェック項目が2つありますので、必要に応じてチェックを外して「インストール」をクリックします
インストールが完了したら「起動」をクリックします
画面右下に設定中のポップアップが何度か表示されますので画面の指示に従うとログイン画面に進みますので「ブラウザでログイン」をクリックします
アカウントの選択画面が表示されますが、Googleドライブを使うアカウントを選択して承認します
画面の指示に従って進むと、完了となりブラウザを閉じるようアナウンスされ、インストールが完了します
タスクトレイのアイコンを展開し、Googleドライブのアイコンが新たに追加されていますのでクリックしてGoogleドライブの画面を表示させます
右上の歯車アイコンから設定を開きます
左ペインのGoogleドライブをクリックし、マイドライブの同期方法を確認します。ご利用方法に応じて選択します
- ファイルをストリーミングする
PCにはファイルをダウンロードせず、ファイル名やフォルダ名を表示するだけの状態なので容量は実際に開いて編集する際に仮に保存するキャッシュ領域だけを利用します
- ファイルをミラーリングする
無料版Oneドライブと同じでPC上のフォルダをGoogleドライブと連携させる方法ですので、オフラインでも利用可能です。ただし同期するフォルダの容量がGoogleドライブの上限を超えると同期が止まってしまいますので注意が必要です
ちなみにミラーリングを選択すると、同期するフォルダを指定できます
確認が完了したら、右上の閉じるアイコンで設定画面を終了します。
どのように動くのか
実験した環境ではGoogleドライブのストリーミングタイプだと、PCのHドライブにマウントされました
ファイルエクスプローラーではHドライブの配下にGoogleドライブのマイドライブが配置され、その中身がそのまま表示されます。アイコンもWebと変わらず、スプレッドシートなどはそのままのアイコンになっていますね
共有フォルダのショートカットをマイドライブに作っていますが、それもそのまま表示されています
共有フォルダのショートカットをさらに開くと、同じように中身が表示されます。PC上のパスはショートカットなので、そのフォルダのフォルダIDになっているようです
このファイルエクスプローラーからスプレッドシートをダブルクリックで開くと、Chrome(既定のブラウザ)が開き、スプレッドシートが表示されるのでWeb版と同じになります
共有フォルダにあるEXCELファイルを別のアカウントが編集中の時に、自分が開くとどうなるかを確認します。
「編集を待機してください」とメッセージが表示されました。初回だとこれが出るようです。スプレッドシートは複数人同時編集が可能ですが、Googleドライブ上でEXCELやWORDなどのOFFICEファイルを開くと排他制御になるようですね。
MS365のWeb上のEXCELファイルは複数同時編集ができるのですが、Googleドライブではこのように警告が表示されることである程度制御しているみたいです
パソコン版ドライブでは、Googleドライブの文書(スプレッドシートやドキュメント、スライドなど)はブラウザが開きWebアプリとして操作し、それ以外の形式はPC側のアプリケーションで実行するようになっています
PDFなどはPCの既定のアプリで開きます(AcrobatやEdgeなど)
また、PC上にあるファイルをそのままドラッグ&ドロップするとドライブに保存できますし、コピーや削除もWebのGoogleドライブと連動しますので、一見するとPC上で作業しているのと変わりなく利用できるので、抵抗感は無さそうです
容量の問題
個人向けGoogleドライブの容量は15GBとなっています。設定をミラーリングにしても最大で15GBですので、それほど圧迫はされないと思いますが、ストリーミングの場合、容量はキャッシュで使うのみなので、さらに少ないはずですが、どうでしょう?
まずは他の2つのアカウントから1GBのファイルを共有フォルダへ保存しました
Web版でみると、他のアカウントが保存されたことが分かります。自身の容量は変化がありませんね
ファイルエクスプローラーでみるとどうでしょう
同じように1GBのファイルが2つありますね。ちょっと心配なので、容量チェックした結果。。。
なんと!Hドライブはその大容量ファイル分も入って2GB超えてます
このままだと、他のアカウントが共有フォルダにファイルを入れたらどんどん増える一方になります
ディスクの管理でも確認すると。。。
Hドライブはありませんね。仮想ドライブなので当たり前ですが、見かけ上のサイズを容量確認ソフトでは表示されていただけだったようです。
では、実際のキャッシュはどこにあるかというと
C:\Users\「ログインユーザー名」\AppData\Local\Google\DriveFS
というパスになります
Googleドライブ上のEXCELやPDFなどPCで開くとここにどんどんキャッシュが溜まっていきます。ただし上限がありハードドライブの空き容量の 20% となっています。検証PCはCドライブが476GBなので95GBまでは膨れ上がる可能性があります。
現在すでに272GBは使っているので、そこにキャッシュの95GBがのっかってくると残りは100GB程度と、結構枯渇することになりますね。
Googleの公式サイトではこのキャッシュの場所の変更やドライブレターの変更方法などの記載がありますので、レジストリをいじっても平気なかたはご参照ください
パソコン版ドライブの高度な設定
https://support.google.com/a/answer/7644837?hl=ja
一応、検証なので、ほんとにキャッシュにたまるかどうか、先ほどの1GBのファイルを開きました(バイナリのダミーデータなので開けませんがダウンロードはされたようです)
しっかり1GBのキャッシュが溜まっていますね。長期間パソコン版ドライブを利用していると慢性的にキャッシュが大量に溜まっているので、手動で削除するなどのメンテナンスが必要になりそうですね。
このDriverFSフォルダを削除するとキャッシュごと消えるようですが、アカウント情報まで消えますので再度Googleドライブの連携をする必要があるようです
PCの容量が少ない場合やGoogleドライブ内のEXCELなどのPC上で使うファイルを多く扱う場合はキャッシュが溜まりやすいので、枯渇の心配をしながらの利用ですね。このツールに限らずキャッシュの膨張はいろいろ課題が多いですね
Googleドライブ上のEXCELを同時に開いたときの挙動
先ほども述べましたが、ファイルエクスプローラーからマイドライブを開き、EXCELファイルを開くと、右下に安全に編集できるかどうかが表示されます
安全に編集できるというメッセージを信じて編集作業をしていると、簡単に裏切られることが判明しました
検証PCでEXCELを開いている最中に、WEB上でこのファイルを開いて編集していたのですが、スプレッドシートのようにリアルタイムで更新されません
しばらくして画面上にメッセージが。。。
新しいバージョンがあります???
安全に編集できるというのはうそのようです。。。EXCELの場合は、定期的に更新確認をしているようで、PCで開くタイミングで誰もそのファイルを使っていなければ「安全」と表示されますが、そのあとに他で編集されると、更新確認のタイミングで上書きされてしまうようです
最新バージョンに更新すると、自分で編集した部分はあっさり上書きされて消えてしまいます。これはEXCELの共有モードと同じですね。結構ショックです。できればマージしてほしいところ。。。
たまたまかもしれませんが、別のPCでこのEXCELファイルを開き編集したところ、ちょっと挙動が変化しました
こういう時はHyper-Vは便利ですね。検証するのに捨てられるPCが簡単に用意できます(WindowsHomeに無理やりHyper-Vを入れてます)
この状態で検証PCのEXCEL画面に先ほどとは異なるメッセージが表示されました
誰かが直接EXCELファイルをMSOFFICEソフトで編集するとこのようなメッセージとダブルブッキングの注意が表示されるみたいですね
おそらく、GoogleドライブにあるEXCELをWebで開くと、Googleのエミュレーターで開くことになり、編集と自動保存の間隔で更新通知が届く時間差が生まれるのではないでしょうか。
EXCELを直接起動させるとその時点で、一旦警告を出しますが、手動で保存するまではGoogle側は何をしたのかがわからないので、このような方法になっているのかもしれません
スプレッドシートなどWebで編集できるものはよいですが、PC上のアプリケーションで編集するファイルは要注意ですね
使ってみた結果どうだったか
Windowsであればファイルエクスプローラー、MacであればFinderでWeb上のマイドライブが操作できるというのは、初心者にとっては非常に便利な機能です
一方、使い方によってはキャッシュ肥大によるPCの挙動が不安定、重くなるなどの不具合もでることや、Oneドライブなどの仕組みでもある、ウィルス対策ソフトとの相性の問題、Outlookのメッセージファイル(pstファイル)の同期がとれないなどの不具合は残りますので、そのあたりのポリシーとメンテナンスを考えて使うようにするのが良さそうです
この仕組みをお客様へ案内するのですが、ITスキルが極端に低いと、こちらが定期的にメンテナンスをしてあげる必要がありそうです
効率よく長く使うには、EXCELを使わずスプレッドシートにするなど、キャッシュをいかにため込まないかを考えるのがよいですね
自分の場合はクラウドストレージで慣れているせいかブラウザ上でファイル操作はまったく抵抗がないので、そういうもんだって理解してくれたら、Chromeだけで済ませたいですね
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